icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸3巻11号

1968年10月発行

文献概要

今月の主題 食道 綜説

食道鏡検査―食道ファイバースコープを中心として

著者: 中村嘉三1 有森正樹1 熊谷義也1 久保脩1 岡芹繁夫1 荻原智信1 島伸吾1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部外科

ページ範囲:P.1361 - P.1367

文献購入ページに移動
Ⅰ.はじめに

 従来,食道鏡による診断は硬性食道鏡にたより,耳鼻科医の手によって行なわれていた.最近,食道の微細な病変を問題にする様になり,癌の早期発見が叫ばれるようになって,実際診断にたずさわる内科,外科,放射線科の医師が比較的容易に操作することが出来る食道鏡の開発が望まれていたが,食道ファイバースコープの改良によって食道疾患の診断も新しい時代に入ったのではないかと思われる.胃癌の早期発見がレントゲン撮影診断技術と内視鏡の活用によって,いちじるしい向上を見た事が思い出されるのである.

 実際に現在までに報告された7例の早期食道癌のうち,そのほとんどが,食道鏡による生検によって確診が得られていることを思うと(第6表)食道ファイバースコープの普及は今後,益々,その重要性が認識されるものと思われる.

 われわれは第1表及び,第2表に示す如く,種種の疾患に各種の食道ファイバースコープを使用して来たが,その使用経験を中心に,従来の硬性鏡と対比しながら述べて見たいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?