胃と腸3巻11号

1968年10月発行

今月の主題 食道 座談会

食道疾患―特に食道癌を中心に

著者： 赤倉一郎¹ 秋山洋² 御厨修一³ 中村嘉三⁴ 中山恒明⁵ 佐藤博⁶ 内山八郎⁷

所属機関： ¹慶大外科 ²東大第二外科 ³国立がんセンター放射線科 ⁴慶大外科 ⁵東女医大消化器病センター ⁶千葉大外科 ⁷鹿大外科

ページ範囲：P.1435 - P.1454

　赤倉　きょうは諸先生方大へんお忙しいところをまた内山先生は鹿児島から遠路はるばる飛んできて下さいまして，どうもありがとうございます．それでは僣越ですが，私が司会をやらせていただきますからよろしくお願いいたします，一応食道疾患ということでいろいろ話すようにというお話なんですが，食道疾患というとどうしても食道癌に重点がかかるのはやむを得ないと思うんですが，まず食道疾患の診断というところから入っていったらいいんじゃないかと思うんです．食道疾患の診断で最初にだれでもレントゲンを見るんですが，ほかの写真はかなりよく見る人でも食道の疾患は案外見落されやすい．それからときには全然食道のほうの写真は撮らないで胃のほうに飛んで行っちゃって，そして食道疾患を見逃しているというふうなことも現在はまだ珍しくない．そういうことなんですが，食道のレントゲン写真を見るという点でどういう点に気をつけなくちゃいけないかというふうなことを御厨先生，1つ口火を切って下さい．