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文献詳細

雑誌文献

胃と腸3巻11号

1968年10月発行

文献概要

技術解説

私の胃体部大彎正面像の描出法

著者: 青山大三1

所属機関: 1大阪回生病院放射線科

ページ範囲:P.1455 - P.1460

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Ⅰ.はじめに

 胃レ線検査とくに精密検査にあたって,二重造影法による描写は,反対側の胃壁の皺襞にあまりさまたげられることなく,病竈をほぼ忠実に撮影されるので,きわめて有利であることはすでにひろくしられている.この考え方にさらに胃壁の伸展度の因子を加味すれば,凹凸についてはほぼ完全に描写されることであろう.

 このような考え方はレ線的にみた胃の各部分についてみると,まず後壁,次に,前壁,さらに,体部小彎について,発達してきたようである.

 後壁については本邦においては,白壁,市川,熊倉らが古くから努力され,完成の域に達したが,反面,白壁らは近年,胃壁の伸展度について,かなり神経質になっているようで,近年,とくに「空気中毒」なる用語さえあらわれてきたことは,よろこばしい現象である.このことは内視鏡の分野にも近年ひろがりつつあり,とくに微細病変をみようとするファイバースコープの立揚でも,やかましくなってきた.

 前壁については,とくに熊倉らは詳細な発展を度重ねて行なっている.

 体部小彎についてはSchatzkiがその描写法を発表してから,しばしば意識して行なわれるようになった.

 しかし,ここにのべる噴門部,体(上)部大彎側の皺襞の正面像の二重造影法による描写法は意識的に行なわれたものは世界中でないと思う.

 そこで以下これらについてのべるが,その部の病変はあまりしばしばないので,利用頻度は少ないと思うが,少しでも病変を疑った時は必ず,こころみるべき方法であろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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