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文献詳細

雑誌文献

胃と腸3巻11号

1968年10月発行

文献概要

研究会紹介

静岡胃疾患研究会

著者: 北村廉作

所属機関:

ページ範囲:P.1462 - P.1462

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 38年5,6月白壁彦夫先生に早期胃癌,胃潰瘍のレントゲン診断の講演を伺い,あまりにも進歩した技術と診断学に驚異の目を見はった事でした.村上忠重先生にも早期胃癌診断の重要性と可能性を強調せられた講義を頂きました.同年7月静岡市医師会臨床検査センターが開設され,当時としてはすばらしいレ線装置が備えられたので,これを有効に利用したい気分が盛り上りました.40年1月白壁先生にレ線検査のデモンストレーションをお願いした折,研究会設立が先生から提議され,E社後援の下に毎月例会を開いて先生の御指導を仰ぐこととなった.3月第1回研究会発足以来病院,開業医30~50名の会員が集り熱心に勉強しています.市川先生,芦沢先生,小黒先生も御出で頂いた.41年7月から中島哲二先生が御同道下され,胃カメラを判読下さる様になった.尚当地の胃カメラは34年5月田坂内科の第2回講習会を受講された司馬速先生によって導入され,崎田,田中,春日井,城所諸先生の講演,小黒先生の手ほどきを頂いた.41年7月から西沢護先生に毎日レ線と胃カメラ検査の実際を見せて頂く様になって会員の検査技術はとみに進歩しました.静岡市医師会で胃の集団検査,精検が企てられたのもこうしたうしろ盾があったからで,廿数名が数グループを組んで,集検判読,精検を行ない,疑問点を研究会で教えて頂いています.3000名の集検に早期胃癌3名を拾い上げました.又最近の2年間で開業医の会員で早期胃癌約20例を発見し得たのも諸先生の御指導の賜と感謝に堪えません.41年11月村上先生に病理検査の解説をして頂きましたが,目下県立中央病院の河合和夫先生が胃癌の組織検査を熱心にして下され,例の亜連続切片方式をやって呉れますので病理診断に良いつてのない会員も大変に助かっています.レ線診断並に内視鏡診断の最近の驚異的な進歩に従って行くことは到底難しい事ですが,当研究会では白壁,中島両先生が全くの初歩から辛抱強く繰返し丁寧に御指導下さるので,開業医でこれから新規に勉強しようと志す方もどんな症例でも臆することなく判読して頂き,御指導を受けるという打ちくつろいだ雰囲気でまいりました.本誌3巻10号の症例の胃カメラで危く見逃す所を西沢先生に早期胃癌だろうと指摘して頂けたのもこのお陰です.又この症例が生検で診断を確定できたことは生検の威力をまざまざと肝に銘じさせました.そして,中島義麿先生を桐生からはるばる数回も本会にお誘いするという奇縁を生んだのでした.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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