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文献詳細

雑誌文献

胃と腸3巻12号

1968年11月発行

文献概要

今月の主題 多発胃癌 展望

Gastrin

著者: 松尾裕1

所属機関: 1東京大学医学部中尾内科

ページ範囲:P.1551 - P.1558

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Ⅰ.緒言

 Gastrinは1964年Gregory&Tracyらによって始めて純粋に抽出されそのアミノ酸構造が明らかにされ,その全合成にも成功し,さらに生理的活性基(active site)であるC末端tetrapeptideが決定されるという画期的な業績が発表された.ここにいたってEdkins(1905年)以来,60年におよぶgastrinの歴史は新しい時代を迎えた.gastrinの持つ強力なしかも生理的な胃酸分泌刺激作用はhistamineに代る新しい胃酸分泌刺激剤として登揚し,またGastrinの持つ多方面にわたる生理作用は消化器疾患の治療に新しく導入されるであろう.またgastrinのbioassayあるいはimmunoassayが確立されるならば,生体内におけるgastrinの動態が明らかにされ,消化器疾患の病態生理の解明および診断に新しい分野が開拓されようとしている.著者は1965年以来鯨の胃のgastrinの研究に従事し,1967年gastrinのbioassay法を確立し現在手術胃材料よりgastrinの抽出量を測定し若干の知見を得,一方immunoassay法についても検討を重ねているので,この方面の解説を試みることにした.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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