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文献詳細

雑誌文献

胃と腸3巻13号

1968年12月発行

文献概要

今月の主題 陥凹性早期胃癌の経過 研究

十二指腸ファイバースコピーの研究―第1報:生検用ガストロファイバースコープを用いる方法

著者: 高木国夫1 池田靖洋1 中川安房1 熊倉賢二2 丸山雅一2 染矢内記2

所属機関: 1癌研究会附属病院外科 2癌研究会附属病院内科

ページ範囲:P.1735 - P.1742

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Ⅰ.はじめに

 胃の内視鏡検査は,胃カメラおよびファイバーガストロスコープの驚異的な進歩により,臨床的にX線検査と共に欠くことが出来ないものになっている.胃内視鏡検査はさらに細胞診,胃生検も可能になり臨床的に用いられている6).十二指腸の内視鏡検査については,HIRSCHOWITZ2)は1961年にGastroduodenal fiberscopeを用いて十二指腸球部の観察も出来,さらに十二指腸下行部に挿入して,十二指腸下行部の観察に成功したと報告している.本邦では田中ら7)により,胃カメラを用いて,十二指腸球部の観察が検討されているが十二指腸下行部以下の検討はなされていない.

 十二指腸下行部の観察について,BURNETT1)(1962)は,HIRSCHOWITZの十二指腸観察については,部分的に支持しているが,KEMP4)(1962)は疑いを持っていた.WATSON8)など(1966)は,HIRSCHOWITZのGastroduodenal fiberscopeを用いて,十二指腸下行部に挿入して,Vater氏乳頭の観察を報告した.RIDERなど5)(1967)は,Fiber Duodenoscopeの試作を発表している.一方,十二指腸のX線検査については,古くから多くの報告があるが,近年では,JACOUEMENTおよびLIOTTAら3)が,いわゆるHypotonic Duodenographyによって,十二指腸の形態を分析し,膵臓およびVater氏乳頭の疾患に,検討を加えた報告をしている.

 われわれは,始めにいわゆるHypotonic Duodenographyで,十二指腸の形態を検討して,X線テレビのコントロールにより,生検用Fibergastroscope B(MACHIDA)を十二指腸に挿入することに成功し,十二指腸下行部の観察が可能で,十二指腸下部に狭窄をおこした膵臓癌を診断しえたので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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