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文献詳細

雑誌文献

胃と腸3巻2号

1968年02月発行

文献概要

今月の主題 胃集団検診と早期胃癌 綜説

大阪地区の胃集検―現況と特徴

著者: 愛川幸平1

所属機関: 1大阪府立成人病センター

ページ範囲:P.147 - P.155

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Ⅰ.はじめに

 胃集検の現況については,昭和39年から逐年,全国的な規模で胃集検学会が集計,報告している.一方各種の集検術式,方法など,実施上の諸問題は,多数の研究報告を基礎とし,またそれぞれの専門研究班が取りまとめている.その結果,集検術式に関する限り,大まかなところ,現状での標準化は達成されつつあるものと考えられる.しかしながら,その他の実施上の諸問題については,各地区の特殊な事情,実施機関における胃集検の研究目的が異っていることから,それぞれの地区にふさわしいと思われる方法で解決がはかられている.このような傾向は,胃集検を漸進的に,また円滑に拡大するためと,各地区の特徴を生かした調査研究実施のためには,画一的な方法より,かえって望ましいものであろう.すなわち,それぞれの地区で胃集検の特徴を浮きぼりにして,疫学的な知見の開発に資すると共に,それぞれの集検方法を総合した場合,いかなる点を考慮すれば,よりよき集検効果を期待し得るかなどが,明らかになると考えられるからである.胃集検協議会は,昭和40年来,毎年1回研修会を行ない,各地区のおもな実施担当者に胃集検現地報告を依頼し,情報を交換している.また胃集検学会においても,消化器病学会,内視鏡学会との合同シンポジウムの一つのテーマとして,胃集検の地区での現況が,昭和42年の秋季大会に討議され,筆者もそれについて報告1)した.

 小文では,上述の諸点を考慮して,大阪地区の胃集検の現況を概括するとともに,われわれの大阪成人病センターの実施している胃集検方法の二三の特徴について言及する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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