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文献詳細

雑誌文献

胃と腸3巻2号

1968年02月発行

今月の主題 胃集団検診と早期胃癌

綜説

間接X線の読影技術向上について―読影較差是正のための実験

著者: 市川平三郎1 山田達哉1 堀越寛1 畔柳繁1 笹川道三1 栗原稔1 松江寛人1 赤坂裕三1 村上勲1 庭瀬康二1 川口和夫1 原昭1 井上房江1 林寛治1 崎田隆夫1 多賀須幸男1 大森晧次1 福富久之1 三輪剛1 藤田健三1 金光浩治2 前田裕2 木内達弥2 高須靖夫2 柴田穣2 滝沢一朗2

所属機関: 1国立がんセンター 2国鉄グループ

ページ範囲:P.157 - P.165

文献概要

Ⅰ.はじめに

 胃の集団検診が普及するにつれて,間接X線による胃の診断が頻繁に行なわれるようになってきた.しかし,間接X線の診断というものは,直接X線の診断に比較して,本質的に相違がある.すなわち,間接X線では疑診がつけられればよいのであって,質的診断を下す必要はない.間接X線では異常者群と正常者群とにふるいわけて,異常者群については,次に行なう精密検査によって質的診断を行なうのが通例である.

 このように間接X線は直接X線に比較して,1階級低い診断能を持っているのではあるが,その診断能を向上させることが大切なことは当然であろう.診断能向上に関係するものは,機械的問題と,技術的問題とに別けることができるし,さらに技術的問題を別けると,撮影技術の問題と読影技術の問題とすることができよう.撮影技術については,診断しやすいようなフィルムを作るように技師を訓練することによって,解決されると思われるが,読影技術はフィルムの良し悪しにも関係してくるが,多くの場合,読影者の読影能力によって間接X線の判定が異なるという一面も考慮しなくてはなるまい.もちろん病変が大きいものであれば,誰しも見逃さずに異常所見を指摘できると思うが,病変が小さくなり異常所見が極くわずかになると,読影医師の判定も分散してくるであろうし,また,微細な病変,特に,早期胃癌を捜そうとしていると,正常者のX線像のうちでも,わずかな所見を異常としてとり上げるような傾向になってくる.すなわち,間接X線を読影するときの読影態度というようなものも,その判定に大きな影響をおよぼすことになってくる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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