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文献詳細

雑誌文献

胃と腸3巻5号

1968年05月発行

文献概要

技術解説

内視鏡による巨大皺襞の出し方

著者: 大森晧次1

所属機関: 1国立がんセンター内科

ページ範囲:P.621 - P.626

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Ⅰ.はじめに

 巨大皺襞(X線ではgiant rugae,内視鏡ではgiant foldという言葉が好んで使われている)をどう定義するかについては,入によって,まちまちである.X線像にみられるgiant rugaeをそのまま内視鏡像にあてはめることは必しずも当を得たことではない.診断方法が全く異るからである.また別に,これに症という言葉をあとにつければ一つの疾患単位となるが,こうなるとさらに,その意味する疾患を定義,限定することが難しくなることは,古くから知られている.

 良性のものに,この巨大皺襞症という言葉が冠せられることには大方の人が同意している.ただこれが,giant hypertrophic gastrits,tumorsimu. lating gastritis,polypoid gastritis,poly-adénomes en nappe. massive hypertrophic gastritis,Ménétrier氏病など種々の名前で呼ばれているところに問題があり,また多くの学者の定義がまちまちとなっている.すなわち,正常に近いものから,腺性肥厚像のもの,萎縮性過形成とくに被蓋上皮の過形成のもの,その他,慢性炎症として論議すべき幾多の所見をもつものが包含されており,ここで取上げる筋合いのものでもない故,筆者は,ただ内視鏡的な見方から,一つの内視鏡像の徴候と巨大皺襞をどう解釈し,またどのようにわけ,いかにしたら,その良悪性を鑑別すべき良い胃カメラ像ないしファイバー写真を得られるかということに焦点をしぼって,述べてゆきたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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