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文献詳細

雑誌文献

胃と腸3巻6号

1968年06月発行

文献概要

今月の主題 前癌病変としての胃潰瘍とポリープの意義 ポリープの部

胃ポリープの癌化についての考察―手術材料の病理形態学研究による

著者: 望月孝規1 安田弘文1

所属機関: 1虎の門病院病理学科

ページ範囲:P.720 - P.723

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Ⅰ.ポリープの癌化の検索方法について

 ポリープの癌化という現象を病理形態学の立場で調べる方法と材料には,以下の如きものがあると考えられる.

 第1は切除胃に見出されたポリープを組織学的によく検討をして,癌をその中に見出すやり方である.

 第2はポリープの経過を良く観察し,生検により癌の有無を調べる方法である.これについては,別に共同研究者の福地が述べることになっている.

 第3は切除胃の胃癌を一定のcriteriaに従いよく調べて,そのうち何%がポリープに由来するかを推定する方法である.この方法で久留,太田,村上らは全胃癌の5ないし16%がポリープに由来すると推定している.

 第4にポリープと癌との合併,ポリープの好発部位等により,癌とポリープの発生部位の位置的相関関係を見出そうとする方法である.これは胃潰瘍癌の研究に用いられる有力な方法である.

 ここでは第一の方法と材料によっての検索,すなわち切除胃のポリープをよく調べた結果について述べたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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