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文献詳細

雑誌文献

胃と腸3巻7号

1968年06月発行

文献概要

今月の主題 胃癌の発生 座談会

胃癌の発生

著者: 村上忠重1 間島進2 森和雄3 長与健夫4 小田島成和5

所属機関: 1順天大 第一外科 2東北大 愼外科 3昭大 癌研究所 4愛知がんセンター病理部 5佐々木研究所

ページ範囲:P.861 - P.871

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 村上 本日はどうもお忙しいところをお集まりいただきまして,まことにありがとうございました.私どもは主として胃ガンの早期の発見治療ということを念願とする立場にございますが,それには胃癌の発生という問題にも通じなければなりません.しかしこのことはなかなかむずかしい問題でございまして,人間の材料でやっていただけでは十分にわからない.そこで動物の胃癌の発生ということが知りたいわけでございますが,御承知のように動物の胃癌というものは今までなかなか発生させることができなかった.ところが去年の秋の癌学会の際に,くしくも各方面から胃癌の発生に成功したという実験が報告されました.以前にも実は外国人からそういう発表はありましたのでございますけれども,それらはすべて立ち消えになっておりました.それが,今度の御発表は全部ちゃんとした基礎の上に立って立ち消えということはまずなさそうだという,非常に信頼できる発表ばかりでした.しかもそれが私が日常お近づきを願ってお人柄を知っている研究者からのものでしたから,非常に興味深く拝聴いたしました.

 そこで本夕はその御発表になりました方々にお集まりいただきまして,成功なさった実験をわかりやすい形でたとえば実験の苦心談とか,思いつきに至る道程とかあるいは論文の発表の中には現われない極秘のヒント,といったような形で披露していただいて,臨床家にとってはなかなか分り難いという先入観念のある動物実験を,身近な理解し易いものにしていただけたら幸いであると思いまして,お集まり願ったわけでございます.どうかざっくばらんにひとつお話しいただきたいと思います.それからもう1つがんセンターの杉村先生においでいただきたいと思ったんですが,御都合でお集まりいただけませんでした.残念なことでございましたが杉村先生のお仕事は総説のほうに載せます論文によってお読みいただきたいと思います.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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