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文献詳細

雑誌文献

胃と腸3巻9号

1968年08月発行

文献概要

今月の主題 消化管の医原性疾患 綜説

消化管の医原性疾患

著者: 池見酉次郎1 中川哲也1 村瀬政行1 松本建一1 上野聖満1 高山武彦1 森崇1 青木宏之1 伊藤侊1 河野友信1 中野重行1 栗山一八1 武谷力1 田中正敏1 赤木稔1 杉田峰康1 遠山尚孝1 真崎由宜子1 山本干1 真武弘之2 藤本龍郎2

所属機関: 1九州大学医学部心療内科 2ステーション・クリニック

ページ範囲:P.1061 - P.1068

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Ⅰ.緒言

 医原性疾患という言葉は,今日ではSirArthur Hurstが最初につくった定義“a term(iatrogenic)applied to disorders induced in the patient by autosuggestion based on the physician's examination,manner or discussion”(医者の検査や言動にもとづく,患者の自己暗示によってひきおこされる病気)からは次第にかけはなれ,iatrogenicを,「医療による」といった意味に,拡大解釈されるのがふつうである.そこで,投薬や手術などの医療行為に伴う副作用が,いわゆる医原性疾患の主要な部分を占めているのが現状である.しかしこの語源からすれば,医師の不注意な言動や診断の誤りによって,そうでなければ避けられるはずだった不利な状態に患者をおとし入れるもの,本来ならば,100%避けられるような種類のものに限られるべきだという考えもなり立つわけである.私どももかねて,「医原性疾患については,Hurstの最初の定義に立ちかえって,薬や手術の副作用だけでなく,医者という薬の副作用についても,反省すべきである」と主張している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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