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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻1号

1995年01月発行

文献概要

今月の主題 胃癌の診断と治療―最近の動向 主題

胃癌の新肉眼分類における使用上の留意点―病理の立場から

著者: 石黒信吾1 辻直子1 寺尾壽幸1 建石龍平1 山口善美1 谷口春生1 和田昭1 平塚正弘2 古河洋2 岩永剛2

所属機関: 1大阪府立成人病センター病理検査科 2大阪府立成人病センター外科

ページ範囲:P.39 - P.46

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要旨 新しい胃癌の肉眼分類を旧分類と比較して検討した.新肉眼分類の改訂点は,第1には粘膜面の“かたち”のままを表現した分類で,従来の早期癌と進行癌に分けたうえでの肉眼分類とは異なる点であり,第2には臨床所見・手術所見・総合所見に分けて記載し,肉眼型にその時点での深達度を付記する点である.実際の分類では,従来の1~4型に属するものや早期癌類似進行癌としたものは,今回の分類で,ある程度の旧分類からの読み替えもでき,総合所見単独あるいは手術所見と総合所見を合わせると十分に肉眼の形態を表現することができた.しかしながら,従来の早期癌分類でⅠ型に,あるいはⅢ型に分類した症例で,隆起が高いもの,あるいは陥凹の深いものは,それぞれ1型,2~3型に肉眼で見たままを表現し分類するという点については,従来の分類からの読み替えは困難であり,どの程度までを1型あるいはⅢ型に分類するか各施設問での調整の必要があると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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