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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻1号

1995年01月発行

文献概要

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書評「腹部単純X線診断 第4版」

著者: 平松慶博1

所属機関: 1東邦大学・放射線医学第2講座

ページ範囲:P.58 - P.58

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 1896年のRoentgen教授によるX線の発見以来,約100年が経過した.この間に,特に過去25年の短い間に,コンピュータ利用によるCTのほか,患者被曝を伴わない超音波検査や磁気共鳴映像法が出現した.これらの新しい画像診断法は,国家の医療費を大幅に増加させたが,一方,患者にとって多くの利益をもたらしたことは言うまでもない.しかし,現在においても腹部単純X線撮影は,その簡便さ,安価さ,更に1枚のフィルム上の情報量の豊富さなどの理由から,その重要性は決して減少してはいない.

 しかし残念ながら,新しい画像診断法の出現以来,腹部単純X線写真を撮影しておきながら,それを十分読影する努力がなされない傾向がある.むしろ読めない医師が多くなったと言ってもよいかもしれないが,これは最近の医師が怠惰になったのではなく,医学の進歩により,覚えるべき医学知識が多すぎて,腹部単純X線写真の読影をマスターする余裕がないためと解釈する.つまり医学の分業化が進んだ結果と言える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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