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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻1号

1995年01月発行

文献概要

今月の主題 胃癌の診断と治療―最近の動向 主題

胃癌の発生・進展と遺伝子変化―病理形態学の立場から

著者: 加藤洋1 会津謙治1 柳澤昭夫1

所属機関: 1癌研究会癌研究所病理部

ページ範囲:P.77 - P.82

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要旨 胃癌における遺伝子変化の解析はまだまだ発展途上にあるが,現時点での研究成果を分化型胃癌と未分化型胃癌に分けてまとめてみた.両型に共通にみられる変化としては,c-met遺伝子の増幅,APC遺伝子やp53遺伝子の変異などがある.分化型に比較的特異な変化としては,c-erbB-2遺伝子の増幅,c-met遺伝子のLOHなどがあり,未分化型にみられる変化としては,K-sam遺伝子の増幅,遺伝子不安定性をみるmicrosatellite markerの変異の増加などがある.このほか,種々の対立遺伝子の欠失(LOH)についても触れた.また,前癌病変であるいわゆるATP(扁平腺腫)における変化としては,APC遺伝子の変異の頻度が高い.また,多重癌発生の高危険状態を知るための手段として,腫瘍からのDNAについてmicrosatellite markerを用いてRER(replication error)を検索することが有用であることを示した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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