icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻1号

1995年01月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

多発扁平隆起を合併した潰瘍性大腸炎の1例

著者: 斉藤裕輔1 野村昌史1 垂石正樹1 竹村清一1 渡二郎1 榮浪克也1 綾部時芳1 蘆田知史1 柴田好1 横田欽一1 並木正義1

所属機関: 1旭川医科大学第3内科

ページ範囲:P.83 - P.90

文献購入ページに移動
要旨 患者は67歳の男性.過去に明らかな粘血便の既往はない.1991年11月ごろから1日2~3行の下痢が出現し,近医を受診したところ大腸に異常を指摘され,当科に紹介され入院した.注腸X線検査,大腸内視鏡検査で全大腸に9個の扁平隆起性病変を認め,右側結腸を中心としたhaustraの消失と粘膜粗糙の所見,更に上行結腸の変形,回盲弁の破壊を思わせる所見が認められ,潰瘍性大腸炎または腸結核に合併した多発扁平隆起性病変と診断した.9個の扁平隆起のうち横行結腸と肝彎曲部の病変は,生検で癌が疑われたため右半結腸切除術を施行した.全割切除標本の検索で,背景粘膜は全大腸炎型の潰瘍性大腸炎であり,9個の扁平隆起のうち肝彎曲部の15mm大のⅡa+Ⅰ型病変は腺腫内癌,横行結腸の25mm大のⅡaとEMRで切除したS状結腸の大きさ10mm大のⅡaは高度異型腺腫(borderline lesion),他の6病変は軽度異型腺腫と診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら