icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻1号

1995年01月発行

文献概要

症例

上行結腸に母指圧痕像を認めた病原大腸菌腸炎の1例

著者: 小嶋伸夫1 多田修治2 富永雅也1 青柳いづみ1 江口浩一2 田代陽美子3 竹下盛重3 岩谷良一4 飯田三雄5

所属機関: 1白十字病院消化器科 2九州大学医学部第2内科 3福岡大学医学部第1病理 4白十字病院臨床検査部 5川崎医科大学内科(消化器Ⅱ)

ページ範囲:P.99 - P.104

文献購入ページに移動
要旨 患者は20歳,男性.発熱,腹痛,下血,嘔吐を主訴に入院.検査成績では,白血球数増多,血沈軽度亢進,CRP陽性を認めた.第4病日に施行した注腸造影で,上行結腸中央部から盲腸にかけて,母指圧痕像と不整形の小バリウム斑の多発がみられ,第7病日の大腸内視鏡検査においても同部の浮腫,発赤と多発する小潰瘍および脆弱な粘膜を認めた.腹部超音波検査では,上行結腸の壁肥厚と回盲部周囲のリンパ節腫大がみられた.便培養で病原大腸菌(組織侵入性,EIEC)が検出され,臨床経過と合わせて,病原大腸菌腸炎と診断した.抗生物質を使用することなく,約2週間で症状・検査成績とも改善し,注腸造影・腹部超音波検査でも炎症像は消失した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら