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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻1号

1995年01月発行

文献概要

症例

特異な進展を示した区域性潰瘍性大腸炎の1例

著者: 檜沢一興1 渕上忠彦1 平川雅彦1 岩下明徳2 山田豊2 臺丸裕3

所属機関: 1松山赤十字病院消化器科 2福岡大学筑紫病院病理 3松山赤十字病院病理

ページ範囲:P.105 - P.111

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要旨 患者は81歳の男性.大腸炎の既往はなく,半年前から出現した粘血便が増悪し入院.初回内視鏡検査で,直腸にはびまん性全周性の樹枝状潰瘍像,脾彎曲部には偏在する浅い潰瘍像,肝彎曲部には散在する島状の発赤粘膜面を認めた.介在粘膜は正常で,潰瘍辺縁には点状びらんが散在していた.salazosulfapyridine,抗菌剤,中心静脈栄養,抗結核療法を行ったが病変は片側性に融合拡大し,区域性の管状狭窄像を呈した.最終的にはprednisoloneが著効し緩解像が得られたが,半年後肺炎のため死亡した.剖検大腸の検索では潰瘍性大腸炎に矛盾しない組織像であり,特異な進展様式を示した区域性潰瘍性大腸炎と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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