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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻10号

1995年09月発行

今月の主題 微小胃癌

主題

微小胃癌の臨床診断の限界―特に内視鏡診断について

著者: 大井田正人1 菅野聡1 今泉弘1 田辺聡1 小泉和三郎1 西元寺克禮1 上杉秀永2

所属機関: 1北里大学医学部内科 2北里大学病理

ページ範囲:P.1231 - P.1237

文献概要

要旨 電子内視鏡検査で発見された微小胃癌31病変と見逃した12病変について,その臨床病理学的特徴と今後の対応について検討した.発見した微小胃癌の肉眼型は,Ⅱc(81%),Ⅱa(16%),Ⅱb(3%)の順であり,Ⅱbが他の報告に比して低率であった.最小のものは2mmの大きさであったが,3mmが一般的な診断限界と考えられた.また,見逃し例はⅡb(81%)が最も多かった.癌の組織構築をみると,未分化型癌の発見例は全層浸潤型であり中層浸潤型は見逃していた.分化型癌では,発見・未発見にかかわらず表層型と全層型浸潤がみられた.分化型癌には,色調や構造などを強調する画像処理が有用と考えられたが,中層浸潤型を呈する未分化型癌には,これらの画像処理も無効と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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