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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻10号

1995年09月発行

今月の主題 微小胃癌

主題

微小胃癌とびらんの鑑別診断

著者: 冨松久信1 藤谷幹浩1 早川尚男1 光永憲央1 瀬ノ口洋史1 河野通康1 斎藤彰一1 浜本順博1 西村克人1 加藤久人1 高木直行1 池延東男1 池上雅博2 和田了3 市川平三郎1

所属機関: 1早期胃癌検診協会中央診療所 2東京慈恵会医科大学第1病理 3自衛隊中央病院病理

ページ範囲:P.1261 - P.1278

文献概要

要旨 良性びらんの個々の病変を用いて,微小・小胃癌と比較検討した.微小・小胃癌の初回診断でびらんと診断した頻度は微小胃癌20.5%,小胃癌14.3%であった.びらんの初回診断でⅡcあるいはⅡc疑いとした頻度は8.9%であった.X線検査におけるびらんと微小胃癌の鑑別点で有意差の認められた所見は,陥凹境界の形態,棘状ニッシェの有無,辺縁隆起部の粘膜性状の3項目であった.X線検査で癌が推定され,びらんとの鑑別に有用な所見は,陥凹境界の不整像,棘状ニッシェ,粗大顆粒状の辺縁隆起を認める病変であった.内視鏡検査における微小胃癌とびらんとの鑑別点は,びらん活動期では陥凹境界の形態,棘状のはみ出しの有無,辺縁隆起部の粘膜性状,色調の4項目に,びらん修復期では辺縁隆起部の粘膜性状の1項目に有意差を認めた.びらん修復期の6病変は微小胃癌との鑑別が困難であった.内視鏡検査における鑑別点で癌が推定され,びらんとの鑑別に有用な所見は,陥凹境界の不整像,辺縁隆起部の粘膜性状が平滑浮腫状でなく粗大顆粒状,棘状のはみ出しを認め,色調では強発赤を呈し,白苔の程度が軽い病変であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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