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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻10号

1995年09月発行

今月の主題 微小胃癌

主題

微小未分化型胃癌の内視鏡的切除の成績―大きさからみた適応

著者: 浜田勉1 近藤健司1 板垣雪絵1 北村成大2 八巻悟郎3 仲谷弘明3 西村護3 大倉康男3

所属機関: 1社会保険中央総合病院消化器科 2社会保険中央総合病院病理 3東京都がん検診センター

ページ範囲:P.1279 - P.1286

文献概要

要旨 外科的切除が可能で内視鏡的切除(ER)された未分化型胃癌9例9病変を対象とし,その成績と大きさについて臨床診断の実態を述べ,微小未分化型胃癌のERの問題点について報告した.ERした,ひだ集中のない1cm以下の陥凹型86病変のうち未分化型癌は10.5%(9/86)で,微小癌は4.7%(4/86)であった.肉眼型はすべてⅡC型,生検で未分化型癌と診断された.残胃小彎の1病変を除くと胃体中部より口側の病変はなかった.深達度は8病変がm,1病変がsmであった.8病変が一括切除,1病変が分割切除で,lyとvはすべて(一)であった.経過観察で遺残再発例はない.ER前のX線および内視鏡検査での大きさと切除標本上での癌の大きさを比較した.内視鏡でほぼ正確に診断され,誤差は最大2mmまでで,形態診断と大きく違う例はなかった.切除標本は癌の2倍程度の大きさが得られたが,小さい切除や分割切除の例がみられ,切除標本全体の大きさが問題と考えられた.以上から,癌の組織学的拡がりと切除できる標本の大きさからみて,5mm以下と臨床診断した微小癌であれば,未分化型癌におけるERの適応としてよいと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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