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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻11号

1995年10月発行

文献概要

今月の主題 食道表在癌の発育進展―症例から学ぶ 主題症例 2.経過観察中に癌と診断された症例

食道アカラシア術後経過観察中に発生した食道m1癌の1例

著者: 有馬美和子1 神津照男2 有馬秀明1 田中元1 菱川悦男1 宮崎信一1 海宝雄一1 小出義雄1 磯野可一1

所属機関: 1千葉大学医学部第2外科 2国保成東病院

ページ範囲:P.1379 - P.1385

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要旨 患者は45歳,女性.19歳時,食道アカラシアに対して粘膜外筋切開術を施行した.42歳時,術後瘢痕狭窄に伴う食道炎,食道潰瘍のため,下部食道胃噴門部切除・空腸間置術を施行.その後,食道炎所見は改善していたが,半年ごとに内視鏡検査で経過観察し,3年後,上切歯列から24~29cmにⅡc病巣が出現,非開胸食道抜去・後縦隔経路頸部食道回腸吻合術を行った.大きさ6.5×5.5cm,m1,ly0,v0であった.retrospectiveにみると,再手術時に最も炎症が強く,びらんを形成していた領域の対側に癌が発見された.1946年から1995年7月までに当科を受診した食道アカラシア476例中,食道癌を合併した24例についても検討した.長期的かつ定期的な内視鏡による経過観察が重要であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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