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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻11号

1995年10月発行

文献概要

今月の主題 食道表在癌の発育進展―症例から学ぶ 主題症例 4.短期間で著名な形態変化を呈した症例 b)縮小例

急速な自然消退を示した食道表在癌の1例

著者: 永井鑑1 工藤敏文1 出江洋介1 奈良智之1 三宅智1 井上晴洋1 河野辰幸1 吉野邦英1 遠藤光夫1 大橋健一2

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部第1外科 2東京医科歯科大学病理部

ページ範囲:P.1413 - P.1417

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要旨 患者は65歳,男性.1993年5月,つかえ感と胸痛が出現し,近医で食道癌と診断された.6月4日の内視鏡検査ではIm左後壁に長径6cmの0-Ipl+Ⅱc型表在癌を認め,易出血性の潰瘍面を伴っていた.7月2日には潰瘍面は消失し,0-Ⅰpl型(最大15×15mm,予想深達度SM2)の病巣が不連続に散在するようになった.その後,冠動脈造影検査のため一時退院した.8月18日の再入院時には口側の各隆起は更に縮小して0-Ⅱa型の多発病変に変わり,肛門側の病変は消失し,再生性の上皮が認められた.8月31日,手術を行った.切除標本では11×5mmまでの0-Ⅱaあるいは0-Ⅱc型の小病巣が6個確認された.深達度m3からm1までの低分化型扁平上皮癌で,ly0,V0,n0であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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