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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻11号

1995年10月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

進行癌を病変内部に随伴した大腸結節集簇様病変の1例

著者: 前田和弘1 星子浄水1 岡田光男1 前川隆文2 山崎繁通3 田代光太郎4 山田豊5 白濱重國6

所属機関: 1福岡大学医学部第1内科 2福岡大学医学部第2外科 3福岡大学医学部救命救急センター 4福岡大学医学部第1病理 5福岡大学医学部筑紫病院病理 6白浜病院

ページ範囲:P.1451 - P.1456

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要旨 患者は73歳,女性.血便を主訴に来院.大腸内視鏡検査で上行結腸に管腔のほぼ全周を占める丈の低い隆起病変を認めた.隆起表面は顆粒~結節状を呈し,隆起中央には,周堤を伴う潰瘍を認めた.X線所見では,潰瘍周囲は台形状変形を呈しており,結節集簇様病変内の進行癌の存在が疑われた.丈の低い隆起および潰瘍辺縁からの生検病理組織診断はそれぞれ腺腫,中分化腺癌であった.以上から,進行癌を伴った,いわゆる結節集簇様病変と診断し右半結腸切除術を施行.切除標本では病変は9×5cmで,中心に陥凹を有する丈の低い表面結節状の隆起病変から成り,病理組織所見は丈の低い隆起は腺管絨毛腺腫で,病変中心部の潰瘍部は中分化腺癌で深達度ssの2'型進行癌であった.このような症例は比較的まれであり報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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