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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻11号

1995年10月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

大腸海綿状血管腫の1例

著者: 松永厚生1 望月福治1 安藤正夫1 富永現1 野村美樹子1 藤田直孝1 野田裕1 長南明道1 佐藤徹2 澤井高志2 倉園普子3

所属機関: 1仙台市医療センター消化器内科 2公立志津川総合病院内科 3東北大学医学部付属病院病理部

ページ範囲:P.1457 - P.1461

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要旨 患者は42歳,男性.主訴は便秘.腹部単純X線像で上行結腸に一致して,大小不同の小円形の石灰化陰影を認めた.注腸X線像で上行結腸に比較的表面の平滑な隆起性病変を認め,内視鏡所見では亜有茎性病変で,腫瘍の表面は正常粘膜で覆われるが,青色調の透見部分が散在し,血液の貯溜が示唆された.単純CT像で腸管の輪郭内にIow density areaと石灰化巣を認め,造影CT像で一部に周囲の腸管壁と同等に不均一に造影される腫瘤陰影を認めた.血管造影では石灰化巣を包む濃染像を呈し,大腸血管腫と診断した.肉眼像は径53×33mm,亜有茎性の粘膜下腫瘍で,病理組織所見では粘膜下層,筋層,漿膜下層に,多数の大小不同の血管腔と内腔に赤血球,fibrinを含み,器質化や石灰沈着を認めた.血管壁の大部分は弾性線維から成り,平滑筋の発達は弱く,海綿状血管腫と診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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