文献詳細
今月の症例
非定型的病像の潰瘍性大腸炎の1例
著者: 多田正大1 大塚弘友1 北村千都1 竹広猛2
所属機関: 1京都第一赤十字病院胃腸科 2竹広内科
ページ範囲:P.1472 - P.1474
文献概要
〔注腸X線所見〕病変範囲は境界が比較的明瞭であり,右半結腸,および下行結腸の狭小と伸展不良が目立った(Fig. 1).直腸では淡いバリウム斑が限局性にみられたが,S状結腸には異常所見はみられず,腸管の伸展性も保たれていた(Fig. 2).下行結腸では炎症性ポリープがみられ,介在する粘膜面にも不整形潰瘍が多発しており健常粘膜は全くみられなかった(Fig. 3).肝彎曲部でも炎症性ポリープが散在した.更に上行結腸から盲腸にかけてびらんが多発し,盲腸の変形と回盲弁の消失,回腸終末部の拡張などの所見がみられた(Fig. 4).
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