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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻12号

1995年11月発行

今月の症例

非定型的病像の潰瘍性大腸炎の1例

著者: 多田正大1 大塚弘友1 北村千都1 竹広猛2

所属機関: 1京都第一赤十字病院胃腸科 2竹広内科

ページ範囲:P.1472 - P.1474

文献概要

 〔患者〕18歳,女性.6か月前から1日2行の軟便,体動時の心悸充進を訴えるようになった.この間,腹痛,下血,発熱などの諸症状はなかった.来院時に便潜血検査陽性,著明な鉄欠乏性貧血,CRP陽性などの異常所見がみられたが,糞便中に病原菌はみられなかった.

 〔注腸X線所見〕病変範囲は境界が比較的明瞭であり,右半結腸,および下行結腸の狭小と伸展不良が目立った(Fig. 1).直腸では淡いバリウム斑が限局性にみられたが,S状結腸には異常所見はみられず,腸管の伸展性も保たれていた(Fig. 2).下行結腸では炎症性ポリープがみられ,介在する粘膜面にも不整形潰瘍が多発しており健常粘膜は全くみられなかった(Fig. 3).肝彎曲部でも炎症性ポリープが散在した.更に上行結腸から盲腸にかけてびらんが多発し,盲腸の変形と回盲弁の消失,回腸終末部の拡張などの所見がみられた(Fig. 4).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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