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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻12号

1995年11月発行

今月の主題 大腸腺腫の診断と取り扱い

主題

5mm以下の大腸微小腺腫の診断と取り扱い―見つけ出しと取り扱い

著者: 斉藤裕輔1 渡二郎2 野村昌史1 栄浪克也1 垂石正樹1 綾部時芳1 蘆田知史1 村上雅則2 折居裕2 小原剛1 柴田好1 高後裕1

所属機関: 1旭川医科大学第3内科 2旭川更生病院消化器科

ページ範囲:P.1477 - P.1484

文献概要

要旨 1991年4月から1995年3月までに発見,治療した5mm以下の大腸微小病変は1,090例1,830病変で,同時期に治療した大腸病変の48%に相当した.肉眼型別では,隆起型ではIsが890病変,Ispが516病変,Ipが88病変であった.これら隆起型病変のうち内視鏡的に処置された過形成は計337病変(22.6%)と高頻度であった.また癌の頻度は1.1%と低かった.表面型では表面隆起型が276病変と表面型微小病変の大多数を占めたが,過形成の頻度は68病変(24.6%),癌の頻度も2.2%であり,表面隆起型の微小病変は隆起型病変とほぼ同様の傾向を示した.一方,表面陥凹型のIIcは51病変,IIa+IIcは9病変であり,これらでは病変数は少ないものの過形成は1病変(1.7%)と隆起型,表面隆起型に比較して有意に低く,癌の頻度も20%と有意に高かった.また,同一肉眼型における微小腺腫と微小癌の臨床的鑑別は困難であった.以上から,5mm以下の微小病変のうち隆起型すべてと表面隆起型のIIaについては,積極的な内視鏡的治療は行わずに生検の結果で処置すべき病変を選択すべきと思われた.一方,表面陥凹型のIIc,IIa+IIcは生検にとどめずに,発見時に積極的に内視鏡的治療を行うべきと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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