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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻12号

1995年11月発行

今月の主題 大腸腺腫の診断と取り扱い

主題

5mm以下の大腸微小腺腫の診断と治療方針―肉眼型とpit patternの解析から

著者: 平田一郎1 森川浩志1 佐々木伸一1 吉積宗範1 前村憲太郎1 吉村憲治1 熊野宏二1 勝健一1

所属機関: 1大阪医科大学第2内科

ページ範囲:P.1485 - P.1490

文献概要

要旨 内視鏡的に切除された5mm以下の大腸腫瘍性病変の組織型,肉眼型pit patternを解析し,5mm以下の腺腫の診断と治療方針について検討した.5mm以下の腺腫の形状は隆起型(Is・Isp)が最も多く72%を呈し,陥凹型(IIc・IIc+IIa)を呈するものはわずか4.2%であった.また,pit patternの解析では,隆起型や表面隆起型(IIa)病変ではIIIL型pitを呈するものが約75~90%を占め,陥凹型病変ではIIIs pitを呈するものが約70%を占めた.また,IIIL pitを呈する病変は腺腫が80%を占め,IIIs pitを呈するものでは癌が67%を占めた.このことから,隆起型や表面隆起型でIIIL pitを呈する病変はほとんど腺腫であり,直ちに内視鏡治療を行う必要性がないと考えられた.一方,陥凹型でIIIs pitを呈するものは癌の可能性が高く慎重な治療方針が必要と考えられた.拡大内視鏡と実体顕微鏡の比較では,他の型のpitに比してIIIs型の一致率がやや悪く正確な臨床診断を得るためには工夫が必要と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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