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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻12号

1995年11月発行

今月の主題 大腸腺腫の診断と取り扱い

主題

5mm以下の大腸微小腫瘍の見つけ出しと取り扱い

著者: 藤谷幹浩12 冨松久信2 浜本順博2 斉藤彰一2 光永憲央2 瀬ノ口洋史2 池延東男2 市川平三郎2 下田忠和3 大坪力1 村中茂人1

所属機関: 1町立中標津病院内科 2早期胃癌検診協会 3国立がんセンター中央病院臨床検査部

ページ範囲:P.1507 - P.1512

文献概要

要旨 5mm以下の大腸腺腫の取り扱いについて,1~10年の経過観察を行った498病変の解析から,形態変化を来した病変の頻度は0.4%と低率で,①表面平滑な無茎性隆起型腺腫では2~3年の経過観察で十分であり,②結節状のもの,陥凹を持つものは積極的に切除する必要があるとの結論を得た.また,5mm以下の腫瘍の見つけ出しについて,61病変の表面陥凹型腫瘍を対象にX線診断能を調べた結果,X線発見率は28%と低率であるが,ルーチン検査の見直し診断では描出率は49%であった.X線検査の盲点はひだ上の病変,側面像で描出されている病変であった.微小腫瘍のX線診断能には限界があり,ルーチンX線検査で結節状の表面構造や陥凹の存在が疑われる場合は,積極的に内視鏡検査を併用し,内視鏡像との対比を行う必要があると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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