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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻12号

1995年11月発行

文献概要

今月の主題 大腸腺腫の診断と取り扱い 主題

大腸腺腫の経過観察―特に大腸m癌との関係

著者: 西沢護1 稲田正之1 加茂章二郎1 大倉康男1 八巻悟郎1 志賀俊明1 野本一夫1 細井董三2 岡田利邦2 中井呈子2 中村尚志2 松川正明3

所属機関: 1東京都がん検診センター 2多摩がん検診センター 3昭和大学付属豊州病院消化器科

ページ範囲:P.1519 - P.1530

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要旨 (1)生検でadenomaと診断された487例およびcancerと診断された69例,合わせて556例の5~10mm未満のポリープを1~11年,平均2年7か月follow-upすることにより次のような成績を得た.①摘出された56例のうちsm癌は1例もみられないことから,腺腫からの癌化は少ないか,m癌の存在期間が長いかのいずれか,あるいは両方である.②10mm未満のポリープは摘出する絶対条件ではない.(2)表面型sm癌の分析から,de novo carcinomaの発育・進展様式の典型は,IIb→粘膜下浸潤(肉眼形態はIIc,IIc+IIa,IIa+IIc,IIa,Isなど様々な粘膜下腫瘤型を示す)→2型,3型の経路をとる.(3)ポリープのfollow-upを主とする施設とできるだけ摘出する施設の癌発見頻度の比較から,adenoma-carcinoma sequence説をとれば,すべてのポリープを摘出するという大きなむだを生じ,de novo説をとると腺腫をm癌と診断する傾向がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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