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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻12号

1995年11月発行

文献概要

今月の主題 大腸腺腫の診断と取り扱い 主題

病理からみた微小大腸腺腫―Ki-67,p53および内分泌細胞分化からみた隆起型と表面型腺腫の比較

著者: 山田豊1 岩下明徳1

所属機関: 1福岡大学筑紫病院病理

ページ範囲:P.1543 - P.1550

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要旨 5mm以下の微小大腸腺腫89病変を表面平坦・陥凹型:A群(37病変),表面隆起型:B群(22病変),隆起型:C群(30病変)の3型に大別し,3者における増殖能,癌抑制遺伝子産物および細胞分化の異同について比較検討した.Ki-67labeling indexの平均はA群35.6%,B群44.5%,C群55.0%とC群に有意に高かった.増殖細胞の分布様式は,すべての肉眼型において表層に強かったが,C群ではA,B群に比較し全層性に,しかも強くみられる傾向があった.p53蛋白陽性率はA群35.1%,B群59.1%,C群50%であり,C群の2病変で中等度局所性にみられた以外すべて軽度散在性に発現していた.クロモグラニン陽性細胞はA群で75.7%,B群で72.7%,C群で80%にみられた.以上,増殖能を除き癌抑制遺伝子産物と細胞分化の立場からは,表面型と隆起型の微小大腸腺腫間には大きな差はなく,表面型も隆起型と同様の組織診断基準と取り扱いでよいと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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