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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻12号

1995年11月発行

文献概要

レベルアップ講座

EUSでsm浸潤癌と誤診した大腸腺腫の1例

著者: 清水誠治1 芳野純治2

所属機関: 1京都第一赤十字病院胃腸科 2藤田保健衛生大学第2病院内科

ページ範囲:P.1598 - P.1600

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(症例) 68歳,女性.便潜血陽性のため大腸内視鏡検査を施行したところ,S状結腸に径7mmぐらいで一部に軽度の発赤を伴うとさか状のIs型ポリープが見い出された(Fig. 1a).帯域強調処理を施すと表面構造は管状型が主体を占め腺腫であることが推定された(Fig. 1b).しかし,この病変に対して20MHz細径超音波プローブを用いて観察を行ったところ,隆起部分から粘膜下層深部に及ぶ低エコーが描出されたためSM3浸潤癌が疑われた(Fig. 2).内視鏡像からはsm massive浸潤癌を疑わせる所見が認められないため,ブドウ糖液の局注を試みたところ,病変は容易に挙上され,sm massive浸潤を示唆する"non-lifting sign"は陰性であった(Fig. 3).

 そこで引き続いて内視鏡的切除を行った.組織学的所見は腺管腺腫であり,粘膜下層には限局した線維組織の増生が観察された(Fig. 4a~c).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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