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今月の主題 小腸画像診断の新しい展開 序説
小腸画像診断の新しい展開
著者: 飯田三雄1
所属機関: 1川崎医科大学内科(消化器II)
ページ範囲:P.1611 - P.1612
文献購入ページに移動 小腸の画像診断が,食道,胃,大腸など消化管の他部位に比べ立ち遅れていることは,万人の認めるところである.その理由の第1として,小腸が生体下で3m以上にも及ぶ長い屈曲した管腔臓器であり,口からも肛門からも遠く離れているという解剖学的特徴が挙げられる.そのため,内視鏡の挿入は困難であり,X線造影検査の手技も(慣れればそうでもないが)一見煩雑で,手間と時問を要する.第2の理由として,小腸疾患自体の発生頻度が,胃や大腸疾患のそれに比べ明らかに低いことが挙げられる.そのため,X線・内視鏡検査を行う機会そのものが少なくなり,十分な技術の研鑽を積むことができず,それだけ胃,大腸の診断技術に遅れをとることになる.
本誌では,20巻7号で「小腸診断学の進歩一実際から最先端まで」という特集が組まれ,小腸のX線検査と内視鏡検査の手技と成績が紹介されている.しかし,その後10年を経た現在,上述したような理由からか,多くの施設でこれら小腸検査が普及したとは言い難い.学会や論文で発表される小腸疾患の症例報告を見ても,十分なX線および内視鏡検査が施行されている症例は一部の施設からの報告に限られている.このような現状を打開するため,本特集号は企画された.
本誌では,20巻7号で「小腸診断学の進歩一実際から最先端まで」という特集が組まれ,小腸のX線検査と内視鏡検査の手技と成績が紹介されている.しかし,その後10年を経た現在,上述したような理由からか,多くの施設でこれら小腸検査が普及したとは言い難い.学会や論文で発表される小腸疾患の症例報告を見ても,十分なX線および内視鏡検査が施行されている症例は一部の施設からの報告に限られている.このような現状を打開するため,本特集号は企画された.
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