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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻13号

1995年12月発行

今月の主題 小腸画像診断の新しい展開

主題

小腸X線検査の基本と応用

著者: 八尾恒良1 竹中国昭1 櫻井俊弘1 真武弘明1 松井敏幸1

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器科

ページ範囲:P.1613 - P.1626

文献概要

要旨 小腸X線検査の基本について,症例を呈示しつつその手技を解説した.小腸X線検査の基本は1.全小腸索の描出を心懸けること,2.小腸の粘膜面をできるだけ広汎に描出すること,に尽きる.具体的には以下の手技上の注意が必要である.1)前処置:下剤の投与.2)造影剤の量・投与法:a)経口法;硫酸バリウム220~250mlを単回投与,b)経管法(二重造影法を含む):250~300ml.3)小腸索の分離・描出法:体位変換,呼吸運動,圧迫法の組み合わせによる.a)上部空腸:右下斜位,吸気させつつ圧迫分離する.b)中・下部小腸:呼気で圧迫.左下に溜まった小腸索は右下斜位,右側のそれは左下斜位で圧迫分離する.c)小骨盤内小腸:①呼気,頭低位の腹臥位圧迫,②バリウム量半減後の圧迫,③直腸内空気送入,などによる.2.粘膜像の描出:1)二重造影法;a)分割投与,圧迫・体位変換でできるだけ速やかにバリウムを下部小腸へ移行させる.b)空気注入:分割注入,体位変換,圧迫でバリウムをできるだけ肛門側へ移動しつつ注入.空気が小骨盤腔内に移行すれば腹臥位とする.c)腹臥位で遮断剤静注後,仰臥位で二重造影像撮影.2)圧迫法:充盈したときを狙って布製布団で行う.その他,Herlinger法,経口法+経肛門的空気注入二重造影法,逆行性選択的回腸造影法についても述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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