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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻13号

1995年12月発行

今月の主題 小腸画像診断の新しい展開

主題

小腸血管造影の新しい展開―大量小腸出血症例の診断と治療を中心に

著者: 岡崎正敏1 東原秀行1 木村史郎1 永山壽人1 古井滋2

所属機関: 1福岡大学医学部放射線医学 2帝京大学医学部放射線科

ページ範囲:P.1637 - P.1646

文献概要

要旨 過去7年間に経験した小腸出血23例の血管造影診断および血管造影手技を用いた塞栓療法について述べた.23例中20例は大量出血のため救急で血管造影が施行されたもので,17例に21回の救急動脈塞栓術が施行された.その内訳は,小腸潰瘍からの出血8例,上腹部の術後,縫合不全などの合併症のため炎症が血管壁に波及し出血したもの5例,Meckel憩室2例,動静脈奇形および空腸平滑筋腫からの出血各々1例であった.17例中2例の術後合併症例と動静脈奇形の1例が再出血し,再度塞栓術が施行された.止血後7例に待機的手術が施行されたが,粘膜下の浮腫を伴った粘膜の炎症を認めたものが3例で重篤な合併症は認められなかった.小腸大量出血には救急血管造影は極めて有用な診断法であり,超選択的動脈塞栓療法は第一選択されるべき治療法と考えられる.術後合併症で惹起された出血症例では止血後,原因疾患の除去なくして永久止血はありえない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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