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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻13号

1995年12月発行

今月の主題 小腸画像診断の新しい展開

主題症例

膵腫瘍との鑑別が困難であった十二指腸平滑筋肉腫の1例

著者: 藤井常志1 斉藤裕輔1 小原剛1 小山内学1 丹野誠志1 野村昌史1 榮浪克也1 綾部時芳1 真口宏介1 竹村清一2 北守茂2 柴田好1 高後裕1

所属機関: 1旭川医科大学第3内科 2帯広市立病院

ページ範囲:P.1669 - P.1673

文献概要

要旨 患者は56歳,女性.主訴は嘔吐,左背部痛,入院時の臨床検査では特記すべき所見は認められない.ERCP所見では主膵管の圧排も認め,超音波,EUS,CT所見で膵尾部に充実性腫瘤を認め,内部と辺縁に嚢胞性変化を認めた.低緊張性十二指腸造影では十二指腸水平脚に圧排像を認め,壁外性の腫瘍と考えられた.血管造影検査で主に横行膵動脈の分枝から栄養される腫瘍濃染像を呈した.以上の画像所見から膵由来の腫瘍(島細胞腫またはSCT)と診断し,手術を施行した.腫瘍は膵とは容易に剥離可能で空腸原発の壁外性腫瘍と診断,空腸部分切除術を施行した.病理組織学的には筋層由来の十二指腸平滑筋肉腫であった.血管造影検査で横行膵動脈から栄養されていたため,膵腫瘍と鑑別が困難であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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