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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻13号

1995年12月発行

今月の主題 小腸画像診断の新しい展開

主題症例

血管造影が診断に有用であった回腸平滑筋肉腫の1例

著者: 井上滋夫1 星加和徳1 飯田三雄1 水野充1 黒木文敏1 松本主之1 鴨井隆一1 藤村宜憲1 梶原康正2 岩本末治3 清水道生4

所属機関: 1川崎医科大学内科(消化器II) 2川崎医科大学放射線科 3川崎医科大学消化器外科 4川崎医科大学病理

ページ範囲:P.1675 - P.1679

文献概要

要旨 患者は58歳,女性.反復する下血を主訴に当科へ入院した.上部消化管および大腸内視鏡検査,ゾンデ法小腸造影を施行したが出血源不明であった.上腸間膜動脈造影を施行したところ,小骨盤腔内に約6cm大の腫瘍濃染像を認めたため小腸筋原性腫瘍を疑い,開腹術を施行した.手術では回腸に6.0×5.3×4.2cm大の管外性に発育した腫瘍を認め,切除標本で,粘膜面に約10mm大の潰瘍を認めた.病理組織学的には回腸平滑筋肉腫と診断した.本例のごとく,小腸からの出血が疑われ小腸造影で明らかな異常を認めない場合は,管外発育型小腸平滑筋腫瘍の可能性も念頭に置き,血管造影まで施行するべきと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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