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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻13号

1995年12月発行

文献概要

今月の主題 小腸画像診断の新しい展開 主題症例

小腸内視鏡で診断しえた出血性多発性空腸潰瘍の1例

著者: 真武弘明1 松井敏幸1 八尾恒良1 竹中国昭1 佐藤茂1 頼岡誠1 山本淳也1 山田豊2 岩下明徳2 早木郁人3 美根和典3

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器科 2福岡大学筑紫病院病理 3九州大学心療内科

ページ範囲:P.1685 - P.1689

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要旨 患者は57歳,男性.7年にわたる原因不明の慢性の下痢と下血を主訴に来院した.上部・下部消化管内視鏡検査では異常を認めなかったが,プッシュ式小腸内視鏡検査でTreitz靱帯近傍から肛門側50cmまでの上部空腸に多発性の小潰瘍が認められ,出血源と考えられた.TPNを約1か月施行したところ潰瘍は瘢痕化し,その後も再発は認めていない.形態学的に本症例に類似した症例は降圧剤の服用歴を有する2例が報告されているにすぎない.本例は病歴,好酸球増多などからメフェナム酸(Pontal®)服用との関連が疑われた.内視鏡およびX線検査で描出された小腸の微細病変の報告は少なく,貴重な症例と考え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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