文献詳細
白壁彦夫先生追悼特集 追悼座談会
文献概要
長いようであり,短くもあった三十数年でした.私自身,一番不肖であり,先生の弟子だなどと言えないと思っております.
実は,生まれて初めて上部消化管X線写真を読影していたときのことでした.ひょっこり先生が部屋に入って来られました.そして,これも私が生まれて初めて撮影した写真の一部を指して,“ここが変だろう.これが壁硬化で,潰瘍癩痕だよ.本には書いてないよ”とおっしゃったのです.この一言の終わりの部分は強烈でした.そうだ,誰もやらないことをやるのが大学なのだと,一晩中考え続けたものです.それ以来,こちらが勝手に先生と呼んでいたようなものだったと思います.
実は,生まれて初めて上部消化管X線写真を読影していたときのことでした.ひょっこり先生が部屋に入って来られました.そして,これも私が生まれて初めて撮影した写真の一部を指して,“ここが変だろう.これが壁硬化で,潰瘍癩痕だよ.本には書いてないよ”とおっしゃったのです.この一言の終わりの部分は強烈でした.そうだ,誰もやらないことをやるのが大学なのだと,一晩中考え続けたものです.それ以来,こちらが勝手に先生と呼んでいたようなものだったと思います.
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