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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻2号

1995年02月発行

文献概要

今月の症例

1.表層拡大型早期胃悪性リンパ腫の1例

著者: 髙木國夫1 岩切啓二1 山口庚児2 武本憲重3 亀山香織4

所属機関: 1林外科病院 2霞ヶ関岩井診療所 3癌研究会附属病院内科 4慶応義塾大学医学部病理

ページ範囲:P.132 - P.135

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〔患者〕44歳,女性.自覚症状なし.1992年5月霞ヶ関岩井診療所で検診,胃X線検査を受けた.1993年5月同診療所で検診を受け,胃X線検査で胃角上部小彎に顆粒状粘膜像を認めた.同年7月の胃X線検査再検,内視鏡検査で胃角上部小彎にⅡC,生検で悪性リンパ腫の疑いであった.同年9月に癌研病院で精査し,胃X線検査,内視鏡検査でⅡC様悪性リンパ腫と診断された.生検では悪性リンパ腫の確診がつかず,当院に入院した.

〔胃X線所見〕1992年5月の背臥位二重造影像(Fig. 1)をretrospectiveに見ると,胃角上部小彎に約2cmの範囲に顆粒状粘膜面を認めうる.1年後の1993年5月の背臥位二重造影像(Fig. 2)では,胃体下部から胃角にかけて,小彎は4cmの範囲で直線化し,胃角もU字形を示す.第1斜位の二重造影像(Fig. 3)では,胃体下部から胃角の小彎の変化に一致して後壁側に大きさ40mmの浅い陥凹性病変で,陥凹内には大小不規則な顆粒所見を認めるが,陥凹境界は不明瞭である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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