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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻2号

1995年02月発行

文献概要

今月の主題 表面型大腸癌の発育と経過 主題

表面型起源大腸癌の病理学的特徴

著者: 下田忠和1 池上雅博2 栗栖義賢1 落合淳志1 中西幸浩3

所属機関: 1国立がんセンター中央病院臨床検査部 2東京慈恵会医科大学第1病理 3国立がんセンター研究所病理部

ページ範囲:P.141 - P.147

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要旨 外科的に切除されたsm浸潤癌の中でpolypoid growth(PG)typeは90病変(63.8%),non-polypoid(NPG)typeは51病変(36.2%)とPG typeが多くを占めていた.しかしNPG typeはPG typeに比較して,その平均径が12.9mmと小さく,かつ10mm以下に分布する傾向があった.このNPG typeは肉眼的にsm浸潤度が高いと肉眼的に隆起型を示すが,PG隆起型とは本質的に異なるもので,粘膜下浸潤により形成された隆起性病変である.このNPG-sm癌の中で原発巣である粘膜病変が保存されている病変は粘膜下浸潤が少ないものに多かった。この残存粘膜病変はⅡc+ⅡaあるいはⅡcであるものが76%であった.したがってNPG-sm癌は表面陥凹型起源とされ,2型進行癌への途中経過を示していると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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