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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻2号

1995年02月発行

文献概要

今月の主題 表面型大腸癌の発育と経過 主題

大腸癌:表面型早期癌から進行癌へ―水平発育型腫瘍の提唱

著者: 長廻紘1 岡誉子1 岩本芳枝1 土橋展子1 穐和信子1 鈴木麻子1 石井ふみ1 岩谷美紀1 宮崎潤子1 二見佐智子1 出射由香2 藤盛孝博2

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター 2神戸大学医学部第2病理

ページ範囲:P.165 - P.172

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要旨 表面型早期癌と進行癌の関係は興味あるところだが,これまで両者をつなぐ手掛かりがなく,推測の域を出なかった.表面型腫瘍(FN)を形態と組織の両面から定義し,その組織学的定義に合致する所見(残存した粘膜内に水平発育型癌を認める)が表面型以外の形態をとるsm以上の深達度の癌に認められたとき,その癌は最初は表面型であったと考えることができる.そのような判定基準でsm癌,mp癌,ss以上の癌について表面型起源率をみたところ,sm癌29.4%,mp癌7.1%,ss以上の癌2.3%であった.mp以上の深達度の癌では粘膜の癌が消失しているので,実態を反映していない.sm癌の値が現段階の検索方法で得られる最も妥当な数値と考えられる.FNの本質は水平発育であることから,将来は表面型という概念(形態的要素)を取り払って水平発育型という概念(組織像)のみで定義することを提唱した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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