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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻2号

1995年02月発行

文献概要

今月の主題 表面型大腸癌の発育と経過 主題

分子生物学的立場からみた表面型起源の大腸癌

著者: 山形誠一1 正木忠彦1 沢田俊夫1 武藤徹一郎1 広岡大司2

所属機関: 1東京大学医学部第1外科 2徳洲会岸和田病院

ページ範囲:P.173 - P.177

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要旨 非遺伝性大腸腫瘍256病巣(隆起型腺腫95病巣,表面型腺腫62病巣,浸潤癌99病巣)について,K-ras codon 12における点突然変異について解析した.隆起型腺腫は67%に変異がみられたのに対して,表面型腺腫では21%と有意に低率であり,中でも平坦・陥凹型病変の変異頻度は8%と特に低率であった.浸潤癌のK-ras変異頻度を発育形態別にみると,隆起型sm,pm癌はそれぞれ56%,78%であったのに対して,non-polypoid growth type(NPG群)sm,pm癌では6%,23%であった.これらの結果から,隆起型腺腫→隆起型浸潤癌,平坦・陥凹型腺腫→NPG群浸潤癌の発癌経路が推定された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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