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書評「腹部単純X線診断 第4版」
著者: 川原田嘉文1
所属機関: 1三重大学・第1外科
ページ範囲:P.190 - P.190
文献購入ページに移動 近年の画像診断機器の進歩は著しいものがあり,US,CT,MRIなどにより疾患の早期診断,治療の向上に大いに貢献してきています.しかしながら,以前に比べ腹部単純X線写真の有用性はいささか軽視されがちであるような気がしますが,臨床の場で最も必要で,数多く目にするのは,依然これら腹部単純X線写真であることに変わりはありません.更に急性腹症などで患者の一般状態が不良な場合,十分な時間をかけて種々の検査法を駆使することはできず,最小限の検査で治療方針を立てなければならない状況に遭遇することがしばしばあります.その際,単純X線写真は必須の検査であり,そこからいかに多くの情報を得るかはその読影力に頼るしかないのです.
筆者は米国で6年あまりの間,レジデントとして研修を積んだ時期がありましたが,その際,いろいろな専門家が一同に会して1つのテーマについて議論する合同カンファレンスなどにおいて,画像診断の読影力の重要性を痛感したものでした.当時はもちろん現在のようにUS,CT,MRIなどといった機器は存在しておらず,単純X線写真,造影検査のみで質的診断を下す必要性がありました.米国の卒後教育の方針は,少ない検査からどれだけ正確に多くの情報を得るかといった基礎的な部分を重視しており,分厚い成書と格闘しながら1枚の写真の読影に取り組んだものでした.
筆者は米国で6年あまりの間,レジデントとして研修を積んだ時期がありましたが,その際,いろいろな専門家が一同に会して1つのテーマについて議論する合同カンファレンスなどにおいて,画像診断の読影力の重要性を痛感したものでした.当時はもちろん現在のようにUS,CT,MRIなどといった機器は存在しておらず,単純X線写真,造影検査のみで質的診断を下す必要性がありました.米国の卒後教育の方針は,少ない検査からどれだけ正確に多くの情報を得るかといった基礎的な部分を重視しており,分厚い成書と格闘しながら1枚の写真の読影に取り組んだものでした.
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