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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻2号

1995年02月発行

文献概要

今月の主題 表面型大腸癌の発育と経過 主題研究

大腸表面型腫瘍におけるDCC遺伝子コドン201の多様性に関する検討

著者: 延沢利江子12 青山伸郎1 本迫洋一郎1 春日雅人1 長廻紘3 藤盛孝博2 前田盛2

所属機関: 1神戸大学医学部第2内科 2神戸大学医学部第2病理 3東京女子医科大学消化器病センター内科

ページ範囲:P.207 - P.212

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要旨 DCC遺伝子コドン201(Arg/Gly)の多様性を表面型腫瘍37例を対象とし,隆起型腫瘍81例,進行癌54例と比較した.腫瘍高が正常粘膜以下のものを表面型とした.末梢血・正常粘膜に201Glyフェノタイプを認めたものは,表面型ではlow grade dysplasia(low)67%,high grade dysplasia(high)64%,sm carcinoma64%と異型度にかかわらず高率であった.隆起型ではlow20%,high48%,sm carcinoma50%,進行癌では54%,対照は17%であった.末梢血・正常粘膜に201Arg/Glyヘテロ接合体を有する例で,腫瘍部に片対立遺伝子の欠失を認めた6例のうち5例は201Argが欠失し,201Glyが残存していた.以上から,DCC遺伝子コドン201Glyフェノタイプは表面型腫瘍にも密接に関与していることが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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