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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻2号

1995年02月発行

文献概要

今月の主題 表面型大腸癌の発育と経過 主題症例

形態変化を観察できた横行結腸のⅡc+Ⅱa型早期大腸癌の1例

著者: 大塚弘友1 北村千都1 菅田信之1 清水誠治1 多田正大1 川井啓市2

所属機関: 1京都第一赤十字病院胃腸科 2京都府立医科大学公衆衛生

ページ範囲:P.219 - P.222

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要旨 患者は81歳,男性.S状結腸癌切除後のサーベイランスで,横行結腸にⅡc+Ⅱa型の表面型大腸腫瘍を指摘された.注腸X線検査で大きさ13×10mmの丈の低い周堤隆起を伴う陥凹性病変を描出し,拡大電子内視鏡,超音波内視鏡検査でⅡc+Ⅱa型のsm癌と診断し,横行結腸部分切除が施行された.3年前の注腸X線フィルムをretrospectiveに検討すると,この病変は大きさ6mmのⅡa病変であり,この時点でm癌であった,横行結腸肝彎曲側の大きさ5mmのⅡa+Ⅱc病変とほぼ同様の形態を呈していた.自験例はⅡa→Ⅱc+Ⅱaの形態変化を示したが,発育速度は緩徐であった.表面型大腸癌の発育経過を考えるうえで,自験例は興味深い症例であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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