icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻2号

1995年02月発行

文献概要

症例

内視鏡検査時に粘液の排出を認めた虫垂粘液嚢胞腺癌の1例

著者: 帆足俊男1 大島文雄1 小田俊一1 田中啓二1 有田正秀1 原忍1 池尻公二2 朔元則2 増田雄二3

所属機関: 1福岡市医師会成人病センター内科 2国立福岡中央病院外科 3国立福岡中央病院病理

ページ範囲:P.239 - P.243

文献購入ページに移動
要旨 患者は83歳,男性.1992年10月20日ごろから繰り返す回盲部痛で入院.大腸X線検査で盲腸下極に粘膜下腫瘍様隆起を認めた.大腸内視鏡検査では虫垂開口部周辺に正常粘膜に覆われた弾性硬の隆起が存在した.また虫垂開口部は開大し,同部からどろどろした粘液の排出を認めた.以上から虫垂の粘液囊胞腺癌または粘液囊胞腺腫と診断し手術を施行した.術中,腫瘍の回腸末端への浸潤を疑い,癌と判断し右結腸切除術を行った.腫瘍は6.0×5.0×2.6cmで病理組織学的には粘液囊胞腺癌であった.大腸内視鏡検査で粘液の排出を確認できた症例の報告はなく,貴重な症例と考え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?