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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻3号

1995年02月発行

文献概要

特集 早期食道癌1995 主題 Ⅰ.診断 5.病理診断 c)組織診断

(1) 食道扁平上皮の上皮内癌と異形成の組織診断

著者: 渡辺英伸1 中川悟1 遠藤泰志1 西倉建1 味岡洋一1

所属機関: 1新潟大学医学部第1病理

ページ範囲:P.407 - P.416

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要旨 食道異形成(dysplasia)のほとんどは上皮内癌で,その大部分は低異型度の扁平上皮癌に属する.癌である理由は,癌の指標であるp53蛋白過剰発現が食道dysplasiaの程度に関係なくみられること,軽度,中等度,高度dysplasiaは漸次移行すること,高度dysplasiaと上皮内癌は組織像やp53染色で差がないこと,高度dysplasiaに類似の組織像が浸潤癌にみられること(しかし,それはsm1~sm2癌までであるが)であり,低異型度癌である理由は細胞異型度が低いこと,細胞分化があること,更に一般に癌胞巣の深層に増殖帯が存在すること,である.食道の異常扁平上皮は,反応性幼若上皮,低異型度癌と高異型度癌に分類され,用語“dysplasia”は不要と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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