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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻4号

1995年03月発行

文献概要

今月の症例

1.空腸平滑筋腫の1例

著者: 北村千都1 多田正大1 伊志嶺玄公1 水野晃治1

所属機関: 1京都第一赤十字病院胃腸科

ページ範囲:P.480 - P.481

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〔患者〕79歳,女性.主訴:黒色便.現病歴:白内障の手術のため入院中,大量の黒色便をみるようになった.この間,腹痛や悪心,嘔吐はみられず,食欲も良好であったが,10日間にわたって黒色便が続き,しだいに体動時に心悸亢進がみられ,全身倦怠感が著明となった.受診時,RBC125×104/mm3,Hb4.4g/dl,Ht12.6%であった.上部消化管内視鏡検査を施行したが出血源は認められなかったので,続いて消化管出血シンチグラフィーを行ったところ,上部空腸にRI集積が認められた.腹部血管造影検査では,SMA造影で空腸に大きさ約3cmの血管に富む腫瘍陰影が確認され,空腸腫瘍からの出血を疑った.

〔小腸X線所見〕半充満像で上部空腸に,中心に深い潰瘍を有する4×3cmの楕円形の腫瘍陰影を認めた(Fig.1).二重造影では腫瘍は立ち上がり急峻で,中心に陥凹と思われる不整形の二重輪郭像が確認された(Fig.2,3).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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