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今月の症例
2.インゼル様隆起を伴ったⅡc型早期胃癌の1例
著者: 小泉和三郎1 近藤一英1 中井久雄1 上杉秀永1 石井圭太1 三宅嘉雄1 大井田正人1 西元寺克禮1
所属機関: 1北里大学病院内科
ページ範囲:P.482 - P.484
文献購入ページに移動〔胃X線所見〕腹臥位二重造影法では胃体中下部の前壁大彎寄りに3.8×2.4cm大の不整形の浅いバリウム斑を認め,粘膜ひだ集中を伴っている.空気少量の二重造影像(Fig. 1)では,集中する粘膜ひだは陥凹部の辺縁で中断ないし先細りを呈し,先端部分は一部で棍棒状の腫大,接合様の所見が認められる.しかしながら,空気を増量した二重造影像(Fig. 2)では病変部と共に粘膜ひだは伸展され,粘膜ひだの先端の腫大所見もほぼ平坦化され,接合様のひだも一部を除き分離されている.陥凹部は不整形で,健常部との境界は明瞭であり,一部では鋸歯状を呈している.微細な観察では粘膜ひだの先端に蚕喰像もみられる.陥凹底にはやや大型の比較的形の揃った不整円形の顆粒が約10個ほど散在性にみられる.顆粒部以外の陥凹部は微細顆粒状から無構造である.
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